【フロントランナー 地域金融】信金中金の地方創生の取り組み(3)


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 ■各地域へ団体旅行を企画・誘致

 信金中央金庫の中小企業支援部ネットワーク推進室は、地域の活性化のため販路拡大支援のほか、信用金庫業界のネットワークを活用した地域への団体旅行誘致に取り組んでいる。

 全国の信用金庫が企画する団体旅行を別の信用金庫があるエリアに案内。観光客に、旅行先信用金庫の取引先を利用してもらい、地域活性化につなげる仕組みだ。

 信用金庫に限らず金融機関は預金者を対象に「年金友の会」「旅行の会」などを組成し、毎年、団体旅行を企画している。そもそも信金中金は、2008年から業界内のイントラネット(しんきん情報共有プラットフォーム)を通して、各地の信用金庫が取引している宿泊施設、お土産物屋、観光スポットなどの情報を発信。団体旅行を企画する信用金庫の担当者がそれを見て、団体旅行の行程に組み込んでもらうよう努めてきた。

 しかし、その時点では施設情報などをネットに掲載していたにすぎず、「〇〇県への団体旅行を考えているものの、有名観光スポットを訪れた後、イントラネットに掲載されているお土産物屋に寄れるのか」「〇〇県の施設もいろいろ掲載されているが、どれを利用すればよいか分からない」という声が聞かれた。

 こうした状況が変わったのは12年だ。信金中金がアンケートを取ったところ、全国の信用金庫で企画されている団体旅行の数は約270件・参加人数は約10万人、実に約35億円の経済効果があることが判明。この経済効果を、きちんと各地の信用金庫とその取引先に行き渡らせることができれば、地域の活性化に寄与することから、ただ施設の情報を掲載するだけでなく、「実際の旅行ツアーのような『旅行モデルコース』を旅行先信用金庫などに策定してもらい、信用金庫同士の連携を促進したいと考えた」(中小企業支援部ネットワーク推進室の荒巻和伸室長)という。

 旅行モデルコースとは、いわば旅行先信用金庫が作成する行程表だ。「観光スポットA→昼食→観光スポットB→お土産物屋→宿泊施設」といったように、観光客の関心を高めるような行程を作成。旅行代理店でよく見かけるような、写真満載のカラフルなパンフレットを作成し、信金中金のネットワークを活用して全国の信用金庫に発信する(イントラネットへの掲載、パンフレットの郵送など)。団体旅行を企画する信用金庫の担当者は、各地の旅行先信用金庫から発信されたモデルコースを見て、気に入れば、旅行代理店を通じて団体旅行を実施するという流れができた。

 もちろん、信金中金も積極的にモデルコースの作成をサポート。最新トレンドを踏まえた旅行行程の決め方や、訴求力あるパンフレットの作成を第三者目線でアドバイスする。

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 (編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp