【知恵の経営】お客さまは神様か 行き過ぎた顧客満足を思う (2/2ページ)

 この連載の執筆者、坂本光司氏も次のように話している。

 「お客さまは大事ですが、お客さまに提供する価値を創造するのは社員です。顧客満足度を高めることは企業にとって必須ですが、それはお客さまに喜んでもらえる、お客さまを幸せにするための価値を提供できる社員がいて初めてできることです」

 「お客さまが喉から手が出るほど欲している新たな価値、リピーターになりたいと思う感動サービスの提供者は誰かを考えてください。鶏が先か卵が先かの議論ではなく、やはり社員が先です。社員に幸せと感じてもらえて初めて、その社員が恩返しのような形でお客さまに感動を与えてくれるのです。これが本来あるべきサイクルです」

 私たち人間は満足の上限はないように思う。どんなに満足するサービスを受けても、次はそれ以上のサービスを求めてしまう。しかし、お客さまの満足を高めるために社員が疲弊をし、満足度を低下させているのであれば本末転倒である。お客さまをファン化して、つなぎ留めることは必要だが、そのための最善策は少なくとも、行き過ぎた顧客満足ではないだろう。(アタックス研究員・坂本洋介)

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【会社概要】アタックスグループ

 顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。