4条の撤廃回避、同時配信…求められる放送業界の未来像 規制改革会議答申

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 規制改革推進会議がまとめた放送制度改革に絡む答申では、「政治的公平」を定めた放送法4条の撤廃提言などが民放側の強硬な反対論で見送られた。一方、答申ではテレビと同じ番組をインターネット上で流す「常時同時配信」の推進とともに、NHKと民放が配信に必要な共通のプラットフォームを整備することも求めており、放送業界の対応が注目される。

 政府はこれまで、放送法4条などの規制撤廃で「NHKを除く放送は基本的に不要に」なり、電波から通信(ネット)への転換が進展するとの青写真を描いていた。これに対し、民放側は「存在の根幹が脅かされる」と反発を強めてきた。

 一方、答申はNHKの同時配信の是非についても早期に結論を得るよう求めた。将来的に人口減に伴う受信料減は必至であり、NHKは同時配信によるネットのみの視聴世帯に対し、受信料新設による新たな財源確保をもくろむ。同時配信と受信料新設によるNHKの肥大化への警戒はこれまで以上に必要だ。

 ただ、同時配信に必要な基盤の費用についてNHKは「初期投資で数十億円程度、ランニングコストで年間数十億~100億円を下回る規模」と見込み、民放にとっては大きな負担だ。

 NHKや民放キー局では現在、有料の動画配信を個別に展開しているが、同時配信で基盤の共通化が図られれば、視聴者の利便性は高まり、民放側の負担抑制効果も期待される。

 日本の放送文化はこれまで、NHKと民放との二元体制で発展してきた。放送と通信との垣根がなくなりつつある中、放送法4条の撤廃回避など生命線を死守した格好の民放は今後、答申内容も踏まえた上で、NHKとともに自ら放送業界の未来像を描く姿勢が求められる。