TBM、紙やプラの代替素材「LIMEX」改良 生分解性素材加え環境性能向上 (2/2ページ)

生分解性「LIMEX」でつくられた食器類の試作品(TBM提供)
生分解性「LIMEX」でつくられた食器類の試作品(TBM提供)【拡大】

 具体的な販売の時期や価格などは現時点では未定だが、すでにコップ、スプーンなどの食器や容器の試作品を完成させており、今後、外食関連企業の協力を得ながら使い勝手などを調べ、製品化への道筋を付ける。現在、宮城県多賀城市に20年の操業開始に向けて、工場を建設しており、生分解性LIMEXの量産拠点となる可能性がある。普通紙1トンの生産に、樹木約20本、水約100トンを使うとされる。LIMEXは原料に木や水を使わず、石灰石0.6~0.8トンとポリオレフィン0.2~0.4トンで、1トン分のシートを作れる。

 いまだに石油由来原料100%の石油系プラスチック製品が多く使われているが、LIMEXは、主原料が石灰石で石油原料を減らせる。また、石灰石は日本では数少ない100%自給自足できる資源で、国内に豊富に埋蔵され、原油価格の市況に左右されにくい。