【高論卓説】米の輸入車関税引き上げ検討 現地経済に寄与する生産体制再構築を (1/3ページ)

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 米朝首脳会談に主眼が移っているが、5月末に飛び出した米国通商拡大法第232条(以下第232条)に基づいた自動車・自動車用部品の輸入調査開始と最大25%の関税賦課の検討のニュースを忘れてはならない。これは、まとまらない北米自由貿易協定(NAFTA)修正へ業を煮やした米政権のいらだちが見て取れ、日米通商交渉が厳しさを増す号砲として捉えるべきだろう。

 トランプ米政権は矢継ぎ早に通商政策を進めている。NAFTA修正を進めつつ、対中国への追加関税、第232条に基づく鉄鋼・アルミニウムの輸入規制、そして自動車・自動車用部品の調査開始だ。4月18日の日米首脳会談で決定した茂木経済再生相とライトハイザー米通商代表部代表との間での「日米通商協議」は6月後半にも始まる。688億ドル(約7兆5680億円)に上る対日貿易赤字の縮小に関する議論が始まるわけだ。

 米国側は自由貿易協定(FTA)も視野に入れた2国間の協定、日本側は米国を除く11カ国が参加する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の発効と米国の復帰を目指す。いうまでもなく日米の溝は際立って深い。

 2017年の米国のモノの貿易赤字は7962億ドルと巨大だ。主体は中国であり、対日貿易赤字は688億ドルで存在は大きく後退した。そうは言っても、日本は中国、メキシコに続く3位の赤字国であり、解決策を求めていかなければならない重要な交渉国であることは明らかだ。

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