レコード生産、16年ぶり100万枚超え アナログの音色で業界活況 (1/2ページ)

原盤に溝を彫る工程を説明する職員=4月、横浜市鶴見区
原盤に溝を彫る工程を説明する職員=4月、横浜市鶴見区【拡大】

  • レコード盤を検査する粟野張男さん=4月、横浜市鶴見区

 CDの普及で一時は衰退したレコードの人気が本格的に回復している。昨年の生産量は16年ぶりに100万枚を突破、生産額もこの7年で10倍以上となり、関連業界も盛り上がる。インターネット配信など音楽を楽しむスタイルが多様化する中、アナログの温かな音色が人々を引きつける。

 ベテラン職人笑み

 4月下旬、横浜市鶴見区の東洋化成のレコード製造工場。静まりかえった構内で、1970年代から受け継がれる機械が黒い原盤に溝を彫る。別の区画では、ずらりと並ぶ緑色のプレス機が次々にレコード盤を作り出し、職人が丹念に検査していた。

 「本当に忙しいが、レコード好きの一人としてうれしい」。この道30年以上のベテラン職人、粟野張男さん(66)は満面の笑みを浮かべる。

 レコード製造は(1)「ラッカー盤」という原盤に溝を刻む(2)ラッカー盤を基に、ニッケルで「スタンパー」と呼ばれる型を作る(3)スタンパーで塩化ビニールをプレス-の3つの工程がある。

 東洋化成は全工程を自社で行う世界でも珍しい企業だ。90年代には事業廃止論もあったが、レコード人気の再燃とともに、ここ5年間は生産量が増え、人員は2倍以上に。中止されていた新規採用も再開され、粟野さんは「若い人に技術を教えていける」と後進育成にも力を入れる。

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