ゼロックス買収から撤退も 富士フイルムHD会長「膠着続けば」 (1/2ページ)

インタビューに答える富士フイルムHDの古森重隆会長=7日、東京都港区
インタビューに答える富士フイルムHDの古森重隆会長=7日、東京都港区【拡大】

 富士フイルムホールディングス(HD)の古森重隆会長は7日、フジサンケイビジネスアイなどの取材に応じ、米事務機器大手ゼロックスが買収合意の破棄を一方的に通達したことに関し「買収契約が履行されなければ損害賠償も辞さない」と述べ、請求に向けた準備を進めていることを明らかにした。一方でこのまま膠着(こうちゃく)状態が続けば買収からの撤退も選択肢になるとの考えも示した。

 富士フイルムHDは今年1月、ゼロックスの買収を発表。富士フイルムHDが保有する富士ゼロックスの株式を富士ゼロックスへ売却して、そこで得る資金でゼロックスに50.1%を出資する計画だった。この買収案に対し、ゼロックス大株主の米著名投資家が「ゼロックスの価値を過小評価している」と反対し、5月13日にゼロックスが計画の撤回を発表した。古森氏は、ゼロックスの計画撤回について「買収契約はそれぞれの取締役会で全会一致で承認され、(契約書に)サインもしている」と強調。これまでに示した案が「いま考えられる唯一無二の案」とし、法的拘束力も理由に契約の履行を求めた。

 一方、ゼロックスの大株主が要求しているゼロックス株1株当たり40ドル(約4400円)以上にする買収額の引き上げについては「やれない」と否定。ただゼロックス新経営陣から新たな条件の提案があった場合は「メリットがあれば検討する」とした。現時点では提案はないという。引き続きゼロックス経営陣とは協議を進める考えとしたが「数カ月から半年間に何もなければ、(買収撤退も)仕方がない」と述べた。

続きを読む