新興国資産、減らし様子見 大和住銀の横内氏、円の現金保有拡大

 大和住銀投信投資顧問の横内武志シニアファンドマネジャーは8日までにインタビューに応じ、新興国資産が年初来の上げを削る中で、新興国資産へのアロケーション全体を減らし、特にトルコやインドネシアの債券・通貨を手放していることを明らかにした。高利回り債に投資するファンドを運用する同氏は一方、米追加利上げ見込みで上昇しているドルの保有を増やしている。

 同氏は「今はちょっと警戒を強めている」「いったんセンチメントが悪化している中で、新興国の対外脆弱(ぜいじゃく)性を意識して売られることが警戒されている。この動きは一時的とみているが、今のところ出口は見えていないような状況なので、もうちょっとこのような弱い状況が続きそう」と話した。

 同氏が円の現金ポジションに資産を避難させるのは、今回が初めてではない。米テクノロジー株が下落、ボラティリティーが急上昇し世界的な売りが起きた2月上旬も、同様の戦略を採用した。

 新興国資産は過去2年、高成長見通しで値上がり基調にあったものの、このところは米金利とドルが上昇する中で世界的な金融緩和の終焉(しゅうえん)や貿易摩擦、地政学的リスクが意識され、強気派は慎重姿勢を余儀なくされている。

 ただ、横内氏は新興国市場投資を完全に諦めたわけではない。一部諸国の外貨準備が引き続き健全であるほか、金融引き締めを始める国には資金が流入する可能性もあると指摘。「オーバーシュートで売られる局面もあるかもしれないが、一時的なものに収まってそのうち買いが入ると思う」として、「どこかでセンチメントが改善してくれば、またその辺で拾っていく感じになると思う」と付け加えた。(ブルームバーグ Yumi Teso)