パナ、印農村部で医療支援 スマホアプリ使い受診手助け

パナソニックが開発したスマートフォン専用アプリの画面を示す現地法人のマニッシュ・シャルマ社長(中央)=2日、インド北部アラハバード(同社提供・共同)
パナソニックが開発したスマートフォン専用アプリの画面を示す現地法人のマニッシュ・シャルマ社長(中央)=2日、インド北部アラハバード(同社提供・共同)【拡大】

 パナソニックが今月からインドの農村部で、スマートフォンを通じて適切な医療を受けられるよう支援する事業に乗り出した。人口約13億人のうち7割が暮らすとされる農村部では医師不足が深刻化。住民が医療機関にアクセスしやすくするとともに、人口が増加する巨大市場で医療ビジネスへの足掛かりをつくりたい考えだ。

 インドでは医療機関が都市部に集中。医師が足りない農村部では治療を祈祷(きとう)師に頼み、多額の現金を要求されるといったケースも後を絶たず、社会問題になっている。

 住民はパナが開発したスマホ専用アプリを使い、提携する医療機関で診察を受けられる。パナは医療機関から診察費の1割を報酬として受け取る仕組みだ。コールセンターも設置し、医療資格を持つスタッフを配置。アプリを通じて住民から連絡があれば、医療機関を紹介してスタッフを派遣する。スタッフは医師への病状の説明など、受診の手助けを行う。

 医療機関に慣れていない住民も安心して受診でき、医療機関側も患者の増加が期待できるという。パナは今後1年間でインド北部を中心とした24都市に事業を拡大し、将来的には全国展開したい考え。

 現地法人のマニッシュ・シャルマ社長は「この事業を通して人々がより良い医療にアクセスできるようになる」と話している。(ニューデリー 共同)