【講師のホンネ】英語は能動的に聞く 鈴木マグラクレン美保

 ここ数年、英語学習の相談を受けることが多く、個別の相談に合わせたコーチングと学習の機会を提供している。その中から「うまくいっている」学習方法を紹介したい。それは、英語を「能動的に聞くこと」。

 英語習得の目的は人によってさまざま。日頃から「英語は聞くだけで、話せるようになりますか?」と聞かれる。ダイエットも、語学学習も「~するだけで」や「たった◯日間で」といった言葉にひかれたものの、実際にやってみるとなかなかうまくいかないという声を耳にする。

 ラクに短期間でできたらうれしいけれど、よく考えてみると、うまくいかない理由も見えてくる。例えば、好きな曲を1曲、カラオケで歌えるようになりたいと思ったら、どうするだろう。普段BGMで何となく流しているだけでは、歌えるようにならない。「この歌をマスターしたい」と思ったら、何度も繰り返し聞いてみたり、何度も繰り返し歌ってみたり、実際にカラオケで何度も練習したりするだろう。つまり、受動的に音が「聞こえてくる」状態ではなく、能動的に「聞いている」状態で学んでいくことになる。

 英語も同じで、英語のCDや英語ニュースの音声を流しておくだけではBGM。英語空間を演出する目的であれば、それでいい。しかし、聞き取れるようにとか、話せるようにといった目的であれば、能動的に聞くことが必要となる。

 「能動的に聞く」には、はじめに「面白い!」と思える話題を厳選する。興味のある本のオーディオブックや動画など、生の情報を得て、教材とするのがよい。好きな映画のワンシーンでもいい。「これだ」と決めたら、その音声を何度も繰り返し聞く。そのうちに、歌を口ずさむように、聞こえてくる音声を聞こえるままに、口に出してみる。それもまた何度も何度も繰り返す。ポイントは、同じものを何度も何度も繰り返すこと。

 一見、長い道のりのようだけれど、自分の興味がある話題だから継続できる。同じものを何度も繰り返して聞いたり話したりするから、その都度小さな進歩が感じられて継続できる。楽しんで続けているうちに、始めた頃より、英語が聞けるようになっている自分、話せるようになっている自分に気づくことだろう。

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【プロフィル】鈴木マグラクレン美保

 すずき・まぐらくれん・みほ 静岡県出身。企業・大学・自治体などで、異文化間コミュニケーション、ダイバーシティ、英語に関する研修の講師を務める。TOEIC960点、全国講師オーディション奨励賞受賞(2014年)、米Gallupストレングスコーチングコース通訳(14、15年)など。