マネロン対策、苦慮の地銀 コスト減・ノウハウ求め他行へ委託の動き (2/2ページ)

記者会見する全国地方銀行協会の柴戸隆成会長=13日、東京都中央区
記者会見する全国地方銀行協会の柴戸隆成会長=13日、東京都中央区【拡大】

 とはいえ、地銀決算は減益が相次ぐ厳しい状況で、収益に直接結びつかない資金洗浄対策は後回しになりがちだ。このため、セブン銀行は今春、取引履歴などのビッグデータを活用して、不審なお金のやりとりを把握するノウハウを生かし、他行の口座での不正取引を監視するサービスを開始。荘内銀行(山形県)と北都銀行(秋田県)を傘下に持つフィデアホールディングスなど既に複数の地銀から委託を受けた。

 「金融犯罪の手口は巧妙化しており、恒常的に追加対策が求められる。『引き受けてくれるならお願いしたい』という声が強い」(セブン銀幹部)という。

 複数行の対策をまとめて行えばコスト削減にもつながるため、こうした動きが今後広がる可能性がある。(田辺裕晶)