アルプス電、減った残業代の一部還元

 電子部品大手アルプス電気は14日、長時間労働の是正に伴い減少した社員の残業代の一部を賞与に上乗せする形で還元すると発表した。今夏から実施する。働き方改革の推進で年収水準が下がってしまうとの社員の懸念に応じる。大手製造業では珍しい取り組みという。

 同社の2017年度下期の社員1人当たり残業時間は前年同期に比べ、月平均2.4時間少なくなった。IT化の推進などが寄与した。この結果、減少した残業代の約3分の1を還元し、賞与に平均で基本給の0.04カ月分を加算する。管理職などを除く約5100人が対象。

 経団連は、働き方改革により残業削減と業績向上が両立できた場合、賞与や手当で還元するなど社員の処遇改善を呼び掛けている。サントリーホールディングスは4月、減った残業代を活用してグループ社員のがんの先進医療費を支援する制度を導入した。