【日立株主総会・詳報(2)】海外で増収、国内は「質」を追求 今後の見通しと理想型は (1/3ページ)

英アングルシー島で稼働中の原子力発電所。日立製作所が計画する新原発は、隣接地に建設される予定だ
英アングルシー島で稼働中の原子力発電所。日立製作所が計画する新原発は、隣接地に建設される予定だ【拡大】

 --グローバル展開について。海外売上比率が現在ちょうど50%だが、今後の見通しと理想型は

 津田義孝専務「グループ全体で社会イノベーション事業を広げていく。日本は少子高齢化が進むので、今後は海外で伸ばすための施策を検討し、成果を上げたい」

 東原敏昭社長「日立の強みは、たとえば鉄道なら車両だけでなく、信号システムなども同時に提供できる点だ。コペンハーゲンでは24時間の無人運転を行っているが、運転間隔を最適化するシステムも同時に提供している。IT・プロダクト(製品)・システムの3つを併せ持つグローバル企業は少なく、この強みを展開したい。日本はどうしても人口が減るため、高齢者などへのサービスの『質』を高めることで収益性を高めることになろう。逆に、売上高を伸ばすのは海外だ」

 --今後の世界経済をどう読むか。足元では好調だが、腰折れした場合の対策は

 津田義孝専務「社会イノベーションに注力して、経済の発展と社会課題の解決を同時に行う形で事業を進めたい。ブレグジット(英国のEU離脱)やトランプ米大統領の発言で状況は変わってくるが、影響を最小化するべく、じっくり考えて行動したい」

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