神鋼株主「不正行う環境正せ」 社長謝罪も株主から批判の声相次ぐ

株主総会で頭を下げる神戸製鋼役員らのモニター映像=21日、神戸市中央区
株主総会で頭を下げる神戸製鋼役員らのモニター映像=21日、神戸市中央区【拡大】

 アルミ・銅製品などのデータ改竄(かいざん)問題を起こした神戸製鋼所は21日、神戸市で定時株主総会を開いた。昨年10月に改竄を公表して以降で初となる総会では、山口貢社長が冒頭で「皆さまにご心配とご迷惑をお掛けしていることを深くおわび申し上げる」と謝罪。株主からは「不正を行う職場環境、企業風土を作ったのは会社だ」などと批判の声が相次いだ。

 同社の品質不正をめぐっては、東京地検特捜部と警視庁が不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで5日に神戸市の本社などを家宅捜索し、刑事事件に発展している。山口社長は捜査について「厳粛に受け止め、真摯(しんし)に対応する」と回答。不正の背景には「受注獲得と納期達成を最優先とする風土があった」とし、「経営陣をはじめグループ一丸となって再発防止に取り組む」と強調した。

 また、全取締役に占める社外取締役の比率を3分の1以上に引き上げるほか、事業部門間の人事異動を活発にして閉鎖的な風土を改善するといった再発防止策も説明された。

 総会には前年より103人多い497人の株主が出席。会長兼社長を引責辞任した前任の川崎博也氏は取締役を退いた。