【株式ニューカマー】広告業界のプラットフォーム化目指す


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 □ラクスル・松本恭攝社長

 ラクスルは、シェアリングエコノミー(共有型経済)を活用した印刷と物流サービスを手掛けている。自社では工場、拠点を持たず既存の事業者をネットワーク化して、インターネットを通じて全国の需要と供給をマッチングするビジネスモデルで成長、5月31日には東証マザーズ市場に新規上場した。松本恭攝社長は「プラットフォームサービスの事業領域を広げていく」と意欲をみせる。

 --事業内容を詳しく

 「『ラクスル』は名刺、チラシ、カタログ、封筒などの印刷を、インターネットを通じて請け負うプラットフォームサービスだ。全国の印刷会社をネットワーク化して、印刷機の空き時間を活用することで稼働率を改善する。ユーザーにとっては高品質な印刷物を低価格で発注できる。運送事業の『ハコベル』も同様に物流会社をネットワーク化してトラックの空き時間を有効活用している」

 --企業をネットワーク化するメリットは

 「低コストでの運営が可能になる。中間マージンが必要なく、ユーザーは低価格で発注できる。一方、企業側は収益が上がることで、産業構造全体を健全化することにつながる。既存の産業は生産設備を構築し、営業部門が販売する製販一体型であり、資本力のある大企業が中小企業に仕事を下請けさせるピラミッド構造になっている。プラットフォーム化によって企業間格差をなくしていきたい」

 --強みや特徴は

 「既存の印刷会社、運送会社と違い、従業員のほとんどがエンジニアやデザイナーといったものづくりに関わる人材で、高度なテクノロジーを持っている。また単にマッチングするだけでなく、パートナー企業の生産性改善にも取り組んでおり、高い収益を上げられるよう支援している」

 --事業別の売り上げ構成は

 「印刷サービスの比率が最も大きく約8割を占めるが、ポスティングなどの集客支援サービスも伸びて比率を高めており、印刷への依存度が縮小している。運送は2%台と売上高の比率としては小さいが、高い成長が期待できる。中長期的に印刷以外の事業の比率を3割に伸ばしたい」

 --今後の展望は

 「ラクスルは印刷するだけでなく、チラシのポスティングやダイレクトメールの発送、ポスターの駅への掲示など、集客支援サービスも提供している。この分野を伸ばすことによって、印刷、物流に次ぐ広告業界のプラットフォーム化を目指している。長期的には他の分野向けのプラットフォームも立ち上げていきたい」

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【プロフィル】松本恭攝

 まつもと・やすかね 慶大商卒。2008年A.T.カーニー入社。09年9月ラクスルを設立し、現職。富山県出身。33歳。

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【会社概要】ラクスル

 ▽本社=東京都品川区上大崎2-24-9 アイケイビル

 ▽設立=2009年9月

 ▽資本金=19億2297万円

 ▽従業員=180人 (2018年3月末時点)

 ▽売上高=105億1500万円 (18年7月期見込み)

 ▽事業内容=印刷・運送などのシェアリングプラットフォーム