【高論卓説】個人株主の持ち株比率低下 投資助言力強化で市場に呼び戻せ (1/3ページ)

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 個人株主の数が増えた。東京証券取引所をはじめ全国の4証券取引所が先ごろ発表した「2017年度株式分布状況調査」によると、17年度末の個人株主数は延べ5129万人と、前年度比162万人増えた。5000万人を超えたのは初めてだ。新規上場、株式分割・売買単位引き下げなどが功を奏した。各種少額投資非課税制度(NISA)の普及で小口株主が増えたのも寄与した。

 しかし、個人株主の数の増加を単純には評価できない。持ち株比率の低下が続いているからだ。

 個人投資家の17年度末の持ち株比率は17.0%と、前年度比0.1ポイント低下し、1970年度の調査開始以来、最低水準に下がった。70年度の持ち株比率は37.7%。それが10年後の80年度に30%を下回り、94年度には20%も割り込んで19.9%になった。以降、20%を上回ったり下回ったりが続き、最近4年間は17%台で推移した。

 戦後の占領期にまで遡(さかのぼ)れば、連合国軍総司令部(GHQ)が財閥解体の指令を発し、各財閥は大量の持ち株放出を迫られた。放出株の受け皿に位置付けられたのが個人投資家である。個人が株主になることを通じ、企業経営の民主化を進めようとの狙いがあった。47~49年にかけて“証券民主化運動”が推進された。証券界の古老の回想録によると、東証の株式売買が再開した49年当時の個人投資家の持ち株比率は65%だったという。

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