宇宙ベンチャーのアストロスケール 衛星運用の地上局設置

アストロスケールが設置した衛星通信用のパラボラアンテナ=4日、横浜市戸塚区(松村信仁撮影)
アストロスケールが設置した衛星通信用のパラボラアンテナ=4日、横浜市戸塚区(松村信仁撮影)【拡大】

 シンガポールの宇宙ベンチャー、アストロスケールは4日、来年末打ち上げ予定のスペースデブリ(宇宙ごみ)除去を目的とした人工衛星の運用にあたる地上局を横浜市戸塚区に約1億円をかけて設置した。

 衛星とのデータのやりとりを担う直径3・7メートルのパラボラアンテナは3階建てビルの屋上に設置。海抜40メートルのところにアンテナがある。周囲は背の高い建物がなく、水平方向に見通しが効く。アンテナは6本のジャッキを伸縮させて、角度や向きを調節する。

 今後、すでに宇宙空間にある他の衛星を使っての送受信テストを行い、打ち上げ後の本格運用に備える。本格運用開始後、運用の空いた時間は他の宇宙ベンチャーなどへの貸し出しも検討する。

 アストロスケールの岡田光信創業者兼CEO(最高経営責任者)は同日、現地での開所式で、「衛星にとって通信インフラは生命線。自前で地球局を持ち、技術やノウハウを蓄積することは宇宙ビジネスにとって大切なことだ」と語った。