【経済インサイド】EV隆盛の中、それでもマツダが「ディーゼル車」を推すワケ (4/4ページ)

大幅改良した旗艦モデル「アテンザ」を紹介するマツダの小飼雅道社長=5月、東京都新宿区
大幅改良した旗艦モデル「アテンザ」を紹介するマツダの小飼雅道社長=5月、東京都新宿区【拡大】

  • 大幅改良した小型SUV「CX-3」のエンジンを紹介するマツダ商品本部の冨山道雄主査=東京都港区
  • 今後もディーゼル車開発に力を入れることを明らかにしたマツダの小飼雅道社長=5月、山口県防府市

 大手自動車メーカーでエンジン技術者として従事した経歴を持つPwCあらた監査法人の藤村俊夫顧問は「多くの人が購入可能な価格やCO2低減効果などを総合的にみて、全方位で次世代車の開発を進める力量がメーカーに求められる」と指摘。マツダのような中堅メーカーは得意技術を武器に協業先を広げ、外部の力を利用しながら競争力を高める必要性を説く。

 「トータルのCO2排出量を化石燃料で発電した電力を使ったEVに近づけ、いずれは超えたい」と冨山氏。マツダは磨いたエンジン技術を電動車に応用するための開発にも余念がない。(臼井慎太郎)

 ディーゼル車 ガソリンエンジンが空気とガソリンの混合気を点火プラグで燃焼させるのに対し、ディーゼルエンジンはシリンダー(燃焼筒)内で圧縮され、高温となった空気に軽油などの燃料を霧状に噴射することで自己着火させる仕組み。ガソリン車と比べると燃費性能に優れ、二酸化炭素(CO2)の削減につながる。一方、窒素酸化物(NOX)や粒子状物質(PM)など大気汚染の原因となる不純物を排出するため、処理装置が必要なケースもある。