【ハザードマップ】室町販売委託/エヌデイーシー

 ■ゴルフ人口減少と過大債務に苦しむ

 ▼室町販売委託 室町販売委託は6月27日、東京地裁から破産開始決定を受けた。ジャパンゲートウェイとして設立、化粧品やシャンプー、衛生用品などの製造を手掛けていた。主力のノンシリコンシャンプー「Reveur(レヴール)」などはCMに有名女優やモデルを積極的に起用、商圏の拡大で2013年5月期には約217億円の売り上げを計上した。

 しかし、14年7月に東京国税局から13年4月までの4年間でグループ会社を含め約3億円の所得隠しを指摘され、重加算税含め追徴税額1億円の修正申告を実施。この影響から、同社ブランドのシャンプーなどの買い控えが広がり、多額の在庫を抱えて経営状態が悪化した。

 その後、企業再生ファンドの支援を得て打開を図ったが、ノンシリコンシャンプー市場に大手の参入が相次ぎ、競争激化から16年5月期は売上高が約80億円まで減少した。16年12月に「ジャパンゲートウェイ販売」に商号を変更し、同時に企業再生ファンドが出資したジャパンゲートウェイ(東京都港区)に事業の大半を譲渡。さらに企業ファンドが出資したジャパンゲートウェイが17年12月、RIZAPグループの子会社で、同一社名のジャパンゲートウェイ(旧Xio、同新宿区)に一部事業を譲渡し、この間に現商号に変更して破産手続きを進めていた。

 ▼エヌデイーシー エヌデイーシーは6月27日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。複数の大手スーパーの共同事業として設立し、1977年10月に「蒲生ゴルフ倶楽部」をオープンした。「比良」「伊吹」「鈴鹿」の3コース、敷地内では「ホテル蒲生の郷」も併営し、地元で有数のゴルフ場として知られていた。

 1995年2月期には約12億7900万円の売上高を計上したが、バブル崩壊以降、ゴルフ利用者の減少が加速。競争激化も重なり、2018年2月期の売上高は5億3620万円まで落ち込んだ。厳しい運営の中、預託金の返還請求の対応も困難となり、今回の措置となった。

                   ◇

【会社概要】室町販売委託

 ▽本社=東京都中央区

 ▽設立=2006年11月

 ▽資本金=1億円

 ▽負債額=約30億円

                   ◇

【会社概要】エヌデイーシー

 ▽本社=滋賀県蒲生郡日野町

 ▽設立=1972年11月

 ▽資本金=1億円

 ▽約67億円

                   ◇

 〈チェックポイント〉

 室町販売委託はノンシリコンヘアケア製品の先駆的企業として知られていた。積極的な広告で拡大したが、ブームを受けて大手が参入すると優位性を失った。主要事業は新会社の下で継続する。資金を得て再び成長曲線を描けるか、多彩な商品展開も必要になってくるだろう。

 エヌデイーシーは3コースを持つ名門「蒲生ゴルフ倶楽部」とホテルを併設。しかし、預託金問題を抱えて苦しい経営が続いていた。2018年1~5月期のゴルフ場倒産は前年同期比2倍となる12件発生した。低迷するゴルフ人口と過大な債務のはざまで、存亡の危機に瀕するゴルフ場は全国各地に潜在している。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)