【株式ニューカマー】注射剤後発薬の受託製造黒字化に全力


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 □コーア商事ホールディングス・首藤利幸社長

 コーア商事ホールディングスは、ジェネリック医薬品(後発薬)の有効成分である原薬の輸入と、医師が処方する医療用医薬品の製造販売を手掛けているが、高齢化が進む中で、後発薬の製造を新たな事業の柱に育てていく方針だ。6月21日には東証2部市場に新規上場した。首藤利幸社長は「医療費削減に貢献し、社会で必要とされる企業グループになりたい」と抱負を語った。

 --強みや特徴はどこか

 「商社とメーカーの機能を併せ持つ独自性が強みだ。後発薬の原薬を輸入して国内メーカーに販売している。このため原薬情報をいち早く入手するとともに、顧客の需要動向を常に把握できることから、蓄積された知見・ノウハウを医薬品の製造販売に有効活用している」

 --国が定める医療用医薬品の薬価は引き下げ傾向にある

 「原薬の安全と安心を担保しながら、低価格化に挑んでいる。原薬輸入に関して当社は、19カ国の約100社と取引関係がある国内トップクラスの実績を持っている。国は2020年9月末までに後発薬の数量シェアを80%以上に高める目標を定めている。目標に到達した後も持続的な成長を目指して原薬販売量を増やしていく」

 --業績の推移は

 「原薬販売事業は17年6月期で114億4100万円となり、売上高の8割弱を占めている。一方、後発薬製造販売事業での同期営業損益は3億4000万円の赤字だったが、これは山形市の蔵王工場の影響によるものだ。先行投資の負担が重く、収益の圧迫要因になっている。今年1月から一部稼働したが、製造設備を整えて生産能力を高め、来期には黒字転換する見通しだ」

 --これから期待する分野は

 「抗がん剤、透析、リウマチといった領域の注射に用いる後発薬の、開発提案型受託製造に力を入れていく。高収益事業として見込んでいる。そのための生産拠点が蔵王工場で、少量多品種に対応している。上場で得た資金でラインを増設し、10月には製造設備が完成する」

 --注射剤に注力する理由は

 「大きく伸びる余地があるからだ。注射で用いる注射剤の後発薬の置き換えはかなり遅れている。海外での生産は日本の基準を満たすことが難しいといった理由から、国内での受託生産のニーズが高い」

 --今後の見通しは

 「原薬の輸入販売の安定的なビジネスに加えて、これからは後発薬製造販売事業を伸ばしていく。現在、後発薬製造販売は赤字だが、今後5年ほどで原薬販売と医薬品製造の利益がほぼ同じになると想定している」

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【プロフィル】首藤利幸

 しゅとう・としゆき 明治薬科大卒。日本モンテジソン(現ビー・インターナショナル)入社。日本ザンボンを経て、1991年2月コーア商事を設立。副社長、社長を経て、会長に就任。2015年コーア商事ホールディングスを設立し、現職。71歳。大分県出身。

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【会社概要】コーア商事ホールディングス

 ▽本社=横浜市港北区日吉7-13-15

 ▽設立=2015年1月

 ▽資本金=3億円

 ▽従業員=322人 (2018年5月末時点)

 ▽売上高=150億7200万円 (18年6月期見込み)

 ▽事業内容=原薬の輸入販売、医薬品の製造販売