高い開発力で「不健康」脱却 コンビニ食、健康志向強化

ローソンの商品を生産する工場で野菜を泡で洗浄する設備=4月13日、千葉県野田市
ローソンの商品を生産する工場で野菜を泡で洗浄する設備=4月13日、千葉県野田市【拡大】

 コンビニ各社が健康に配慮した食品の開発を強化している。「ヘルシー」を求める女性や中高年に客層が拡大しているためだ。規模を生かした開発力で添加物の削減などを打ち出し、コンビニ食の「不健康」な印象から脱却しようとしている。

 ぶくぶく、ぶくぶく-。首都圏のローソン向け食品を生産するサンデリカ野田事業所(千葉県野田市)に運び込まれた新鮮な野菜を、洗浄機から出る透明の泡が包み込み汚れを除去している。殺菌には塩素でなく電解水を使い、食材の質を変えない工夫をしている。

 ローソンは3月に刷新したサンドイッチで、ハムやソーセージから添加物のリン酸塩を抜いた。商品本部の高尾憲史担当部長は「お客さまから添加物を減らしてほしいという要望がある。必要でないものは減らすように努力している」という。

 ファミリーマートは、通常と比べて約2倍の食物繊維量を含む「スーパー大麦」を入れたおにぎりを販売している。デリカ食品部の担当者は「何かを足すことで新しい価値やおいしさを感じてもらえるようにした」と説明する。

 NPO法人「食の安全と安心を科学する会」の山崎毅理事長は「高齢化社会を迎え、小売業界が科学的なデータに基づいて健康長寿に役立つ商品を開発する取り組みは評価できる」と指摘する。

 大手コンビニが顧客のニーズに照準を合わせて独自の食品を開発できるのは、一斉に販売できる大規模な店舗網を全国に展開しているからだ。大量仕入れで原材料の調達コストを削り、食品メーカーや商社から新しい食材の提供も受けられる。

 自社工場は持たず、弁当やおにぎりの生産は協力会社に委託している。

 商品企画の段階から一緒に取り組み、狙い通りの食品をつくってもらう専用工場を増やしてきた。

 セブン-イレブン・ジャパン向けに生産する武蔵野(埼玉県朝霞市)の渡辺正道係長は「専用工場であればセブンの商品に合わせて独自の機械設備を開発できる。生産技術や情報の蓄積も可能だ」と優位性を訴える。

 東レ経営研究所の永井知美チーフアナリストは「コンビニには販売データを生かし客層に合わせ商品を改良する力がある」と分析。競合する食品スーパーに対し優位に立つために「今後も健康志向を打ち出していくだろう」と展望する。