株式報酬制度の導入1.6倍に 民間調査、企業の自発的改革浮き彫り

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 東京証券取引所などの上場企業で、6月までに役員らへの株式報酬制度導入を決めた企業が昨年までの約1.6倍となったことが5日、民間調査で分かった。企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)が6月に改訂されるなど経営への視線が厳しさを増す中、自発的な改革を迫られる企業の実情が浮き彫りになった。

 株式報酬制度は企業が自社株式を付与する制度で、中長期の業績を意識させやすい。三井住友信託銀行によると、今年は6月までに株主総会で承認を得るなど導入を決めた企業は284社で昨年までの累計(492社)から大幅に増えた。一定期間は譲渡できない株式の付与が目立つ。

 6月改訂の指針では、経営陣の報酬について「客観性・透明性ある手続きに従い、報酬制度を設計」すると規定。中長期的な業績や潜在的リスクを反映させるよう求めており、「社会の潮流を意識して制度を導入した」(準大手ゼネコン)企業が増えたようだ。

 同信託銀行証券代行コンサルティング部の斎藤誠部長は「業績へのプラス効果も見込まれており、今後も導入する企業は増えるだろう」と分析している。