【マネジメント新時代】カーシェアリング運営の難しさ! 求められる分析と対応策 (1/3ページ)

ボロレグループとパリ市によるカーシェアリングのサービス拠点(ブルームバーグ)
ボロレグループとパリ市によるカーシェアリングのサービス拠点(ブルームバーグ)【拡大】

 気になるニュースが飛び込んできた。カーシェアリングといえば、パリの電気自動車(EV)カーシェアリング「オートリブ」が世界最大規模である。しかし、自治体の運営側であるオートリブ・ベリブ・メトロポール事業組合は、2018年6月25日付で委託運営企業であるボロレグループとの事業委託契約を破棄することを決議したとのこと。つまり、事実上のオートリブ終了宣言である。(日本電動化研究所代表取締役・和田憲一郎)

 その背景として、運営赤字の負担が原因であるようだ。近年は使用台数が4000台を超え、運営赤字が拡大したことから、ボロレグループはその一部である2億3300万ユーロ(約301億3860万円)を自治体側が負担すべきだと主張していた。しかし、自治体側はその要求を不当として、契約の打ち切りを決めたとのこと。パリ市長は、新しい配車サービスなどが増えたことから、オートリブの事業モデルを疑問視し、他のビジネスモデルを検討しているようだ。今後どうなるのか予断を許さないが、カーシェアリング運営の難しさについて考えてみたい。

 赤字の原因

 実は4月下旬にパリを訪問し、5月12日付本欄でオートリブに触れたばかりである。経営危機について当時は分からなかったが、以下の懸念を示した。(1)台数が増えた影響があるのか、車両や充電スタンドに汚れが目立った(2)使用車両が小型・廉価のボロレ1車種だけ。日産リーフのようなやや大型で先進性のある車両でユーザー満足度を上げることが望まれる(3)カーシェアリングはユーザーにEVを貸与するだけだと台数規模を追わざるを得ず、他の収益源がないと早晩行き詰まるのではないか-という3点である。

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