【トップは語る】藤高 小ロット・多品種・短納期の商品開発に注力


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 □藤高社長・藤高豊文さん(69)

 --6月に東京・銀座に直営店をオープンさせた

 「愛媛県今治市に現存する最も歴史が古く、最大手のタオルメーカーとして、個人客に対して認知度を高めるとともに、法人の新規顧客開拓を進めるために出店した。複合商業施設『GINZA SIX』からも近く、通りに面した1階に個人客向けの店舗を構え、4階には事務所、5階には企業向けのショールームを設置した」

 --今治タオルのブランドは全国的に認知された

 「私は2006年から08年まで四国タオル工業組合(現・今治タオル工業組合)の理事長だった。就任時は既に中国製の安価な製品に押され、タオル産業は危機的状況にあった。そこで復活を賭けて、中小企業庁のJAPANブランド育成支援事業の一環としてブランディングに取り組んだ。著名なアートディレクターである佐藤可士和氏を起用し、ブランドマーク・ロゴを開発して、品質基準を満たした商品に付与した。さまざまな取り組みを重ねることで高品質のイメージが消費者に浸透し、伊勢丹新宿店で常設販売されたことから、メディアの取材が相次ぎ、高品質タオルとして認識されるようになった」

 --これからどのように展開していくのか

 「今治タオルのブランドは既に定着した。これからは組合加盟の100社超のそれぞれが、独自性を発揮していく発展の第2段階に入ったと考える。当社は今回の直営店を基点として、ホテルや飲食店、美容室といった新規顧客と直接取引を増やしていく。これまで各社は、問屋の保有するブランドのOEM(相手先ブランドによる生産)を事業の柱としてきた。だがメーカーとして価格決定権がなかった。しかし直接取引をすることで価格交渉ができるようになる。当社は糸染めから最終製品まで一貫生産できる強みを生かし、小ロット、多品種、短納期の商品開発に力を入れていく」

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【プロフィル】藤高豊文

 ふじたか・とよふみ 神戸大学経営学部卒。市場調査会社を経て、1975年藤高大阪事務所入社。78年藤高入社。取締役を経て、90年から現職。愛媛県出身。