スバル、品質向上に1500億円投入 中期ビジョン (1/2ページ)

新たな中期経営計画を説明するスバルの中村知美社長=10日、東京都目黒区(臼井慎太郎撮影)
新たな中期経営計画を説明するスバルの中村知美社長=10日、東京都目黒区(臼井慎太郎撮影)【拡大】

 SUBARU(スバル)は10日、平成37年までの中期経営ビジョンを公表した。燃費測定データ改(かい)竄(ざん)など一連の不正を受け組織風土改革を進めるとともに、品質向上に5年間で1500億円の投資枠を確保。自動運転関連では、スバルの車両による交通死亡事故ゼロを目指すとした。世界販売は2割増の130万台を計画。米国事業を中心とした高収益体質を維持していく考えだが、米政権が輸入車の関税引き上げを検討するなど、先行きにリスクもはらむ。

 中村知美社長は東京都内で開催した説明会の冒頭、新車の無資格検査や燃費・排ガスの測定データ改竄などを念頭に「真の実力を養成し、信頼を取り戻したい」と述べた。

 具体的には、品質向上を重点課題に位置づけ、商品企画から生産までの過程を見直す。投資枠は、これまで生産能力を上げるために投じてきた資金を品質向上に振り向けたり、販売店の支援により顧客へのアフターサービスを強化したりすることに使う。

 死亡事故ゼロはスバル車の乗員だけでなく、スバル車との衝突による歩行者なども対象で、42年の実現を目指す。同社は自動ブレーキなどの先進安全技術「アイサイト」を展開してきたが、道路や信号機などのインフラと車が通信することによる安全性能向上も進める考えだ。大抜哲雄・技術統括本部長は、「『つながる安全』により、死亡事故を確実に減らせる手応えを感じている」と強調した。

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