【キーポイント】永谷園「フリーズドライご飯」 水なしでもおいしく簡単、アレルギー対応版も

「フリーズドライご飯カレー味」
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  • 「山登りなどアウトドア活動でも気軽に携帯して食べてもらいたい」と話す永谷園の高田浩太朗氏

 永谷園が2017年2月に発売した災害向け備蓄食品「フリーズドライご飯」シリーズが好評だ。湯や水を入れるだけですぐに食べることができる。5年半の長期保存が可能で、アレルギー対応の種類もある。

 17年度の売上高は目標を上回った。店頭想定価格は520~580円前後。

 東日本大震災で工場が被災した経験がきっかけとなった。商品開発を担当した高田浩太朗氏は、「災害時の食事の重要性を実感した。簡単に早くおいしく食べられる商品を作りたいと考案した」と話す。

 「フリーズドライ」は、食品を急速に凍らせた後に乾燥させる製法。永谷園のシリーズ商品は湯を注ぐと3分、水は5分で食べられる状態になる。高齢者や子供が食べやすい「軟らかめ」の食感になるよう、注水量を調整するための印も付けた。湯や水を入れずに、そのままでも食べられる。

 袋には看板商品「お茶づけ海苔」と同様に、歌舞伎の舞台で用いる「定式幕」をあしらった。「なじみのある商品と同じデザインにすることで、少しでも消費者に安心してもらえたら」

 食物アレルギーを起こす可能性がある27品目を使わない種類も開発。「避難所には多様な人が集まる。アレルギーを持った人も安心して食べられるようにした」

 梅しそやカレー味がある。「日常と変わらない食事を提供したい」と語る。24歳。兵庫県出身。

 この連載では、商品企画担当者に開発の要点を聞きます。