【スタートアップの旗手】ネット通販に撮影機材販売

自動撮影機器の前でインタビューに答える「アポロクリエイトホールディングス」の鳴海千尋社長
自動撮影機器の前でインタビューに答える「アポロクリエイトホールディングス」の鳴海千尋社長【拡大】

 □アポロクリエイトホールディングス・鳴海千尋社長

 アポロクリエイトホールディングス(東京都品川区)は、企業がインターネットの通販サイトに掲載する商品写真の撮影コストを大幅に抑えるための自動撮影機器を販売している。

 鳴海千尋社長は「『写真を撮影するだけで精いっぱい』と悩む企業こそ、機器を利用して社員の負担軽減に役立ててほしい」と話す。

 ネット通販が身近になり、サイトに載る衣服や靴、ジュエリーなどの写真は見たい角度で撮影したものがあるかなど、その出来が消費者の選択を大きく左右する。

 販売する自動撮影機器は照明を当てたボックス内に商品を入れ、パソコンと一眼レフカメラをつなぐ。パソコンの操作だけで明るさや彩度を調整、撮影できる。

 衣服や靴などのメーカーは、社員が写真を撮影すると時間や労力を多くとられ、外部のカメラマンに委託すると費用が高くなる。「この機器を使えば、手間をかけずに撮影して修正し、売りたい商品を迅速に掲載できる」

 「定年の年齢になっても生き生きと働き続けたい」と、46歳でリコーを退職、コピー機のトナー通販会社を設立した。日本での販売を検討していた海外の自動撮影機器メーカーを知り、2010年に代理店を引き受けた。

 当初は高性能の機器を手掛けていたが、売れ行きはいま一つだった。「国内の企業は性能よりも、撮影の手間を減らすシンプルな機器を求めている」と気づき、15年に販売方針を転換。導入企業は増え続け、現在は400社以上に上る。

 東京のほかに名古屋と大阪、福岡にショールームを設け、各地の中堅・中小企業への販売を目指す。「人手不足とコスト削減の課題に直面する企業は多い。顧客に応える仕事を生涯続けたい」

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 この連載では、社会を変えるような事業を目指す起業家たちを紹介していきます。

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【プロフィル】鳴海千尋

 なるみ・ちひろ 弘前大卒。2003年アポロクリエイト設立、10年から自動撮影機器を販売。63歳。北海道出身。