日産の検査不正 根深い「ごまかし体質」 製造業、地盤沈下の懸念強まる (1/2ページ)

記者会見する日産自動車の山内康裕CCO(中央)ら=9日午後、横浜市
記者会見する日産自動車の山内康裕CCO(中央)ら=9日午後、横浜市【拡大】

 日産自動車で出荷前の車の排ガスや燃費測定試験で測定結果を改竄(かいざん)する新たな検査不正が発覚した。新車の無資格検査で露呈した「ごまかし体質」は根深く、法令順守の意識を社内全体に徹底させることの難しさを浮かび上がらせた。昨年来、日本のものづくりへの信頼を揺るがす不祥事が自動車や素材メーカーといった看板産業で相次ぎ、製造業全体が地盤沈下してしまう懸念が強まっている。

 どの工場も人手不足

 「検査の知識、技能を持った監督者が配置されていなかった」。9日に記者会見した山内康裕チーフ・コンペティティブ・オフィサー(CCO)は、排ガスと燃費に関する測定不正の背景を淡々と説明した。「(思うようなデータが得られない場合に)再検査をすれば1日か1日半かかる」と述べ、検査員に納期に対するプレッシャーがかかっていた可能性も示唆した。日産関係者は、他社との競争もあって人材確保に苦労しており「どの工場も人手不足だ」と明かす。

 日産は新型の電気自動車(EV)「リーフ」や、独自技術を駆使したハイブリッド車(HV)が好調を維持する。フランス大手ルノー、三菱自動車と組む3社連合は、新車販売台数が2017年に初めて1000万台を突破、トヨタ自動車を抜いて世界2位に浮上した。拡大路線に勢いづく裏で、生産現場の人手不足は常態化していたようだ。

 3社連合の戦略に影

 自動車業界は、世界のIT大手も巻き込んで自動走行や環境性能を競い合い「100年に一度」と呼ばれる変革期を迎えている。日産は現時点でEV開発の先頭を走ると目され、今後も3社連合での共同開発を強化して激動期を勝ち抜くシナリオを描くが、一連の不祥事はグループ戦略の行方に影を落としかねない。

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