西武鉄道は、所沢駅(埼玉県所沢市)改札内の休憩スペースに、耳の聞こえが悪い人でも音声を明瞭に聞くことができるスピーカー「ミライスピーカー」を鉄道業界として初めて配置した。バリアフリー対応の一環。2020年東京五輪・パラリンピック開催を契機にバリアフリー化の進展が求められており、音声環境の整備でも事業者の取り組みが進みそうだ。
西武鉄道は同駅の休憩スペース「とこてらす」の大型モニター用として、ミライスピーカー1台の運用を9日に開始した。夜にはプロ野球の西武対ロッテ戦を生放送したが、担当者も「よりクリアに聞こえるようになった」と話す。
さまざまな理由により、聞き取りにくさを抱える人の不便さを解消するため、西武鉄道は新型スピーカーの導入を決めた。
音響機器開発のサウンドファン(東京都台東区)が手掛けるミライスピーカーは、特許技術の曲面振動板構造で遠方まで明瞭な音を伝達できる特徴がある。
日本航空も音のバリアフリーを目的に、16年8月に羽田空港の手続きカウンターなどに同スピーカーを導入。これまでに15空港で計36台を配備した。