ウォルマート、西友売却へ 人口減の日本市場撤退 ネット通販に集中

西友の本社とウォルマートの看板=12日午前、東京都北区
西友の本社とウォルマートの看板=12日午前、東京都北区【拡大】

  • 米フロリダ州にあるウォルマートの看板=2017年6月(AP)
  • 西友の本社とウォルマートの看板=12日午前、東京都北区

 米流通大手ウォルマートが傘下の国内スーパー大手西友(東京)を売却する方針を固めたことが12日、分かった。米インターネット通販大手アマゾン・コムとの競争で大型投資をデジタル分野に集中しており、人口減少などで成長余力が乏しい日本市場からの撤退を決めたとみられる。

 関係者によると、ウォルマート側は国内の同業他社や投資ファンドに売却の打診を始めている。売却額は3千億~5千億円に上る可能性がある。

 西友は業績低迷が続き、店舗も老朽化した物件が多い。食品から衣料まで取り扱う総合スーパー業界全体が振るわない中、事業全体の買収は同業他社に魅力は薄く、交渉は難航しそうだ。買い手が現れても、店舗網や人員のリストラが加速する恐れがある。

 ウォルマートはネット通販に力を入れており、国内では楽天と西友が生鮮食品のネット通販スーパーで提携。5月にはインドのネット通販大手フリップカートを買収すると発表していた。一方、業績不振に陥っている米国や中南米などの店舗の閉鎖を進め、採算の改善を目指している。西友によると、現在の店舗数は335。2018年1~3月に長野県、埼玉県、佐賀県でそれぞれ1店舗ずつ閉鎖した。