総務省、NHKの常時同時配信容認へ 受信料引き下げ、ガバナンス改革…検討課題も

NHK放送センター=東京都渋谷区
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 総務省が、テレビ番組を放送と同時にインターネットでも流すNHKの常時同時配信を容認する方針を固めたことが11日、分かった。NHKは2020年東京五輪・パラリンピック前の平成31年度から、常時同時配信を開始したい意向。ただ、総務省は受信料の引き下げなど複数の課題について検討を求めるとみられ、実施に当たってNHKの対応が求められそうだ。

 総務省の有識者検討会「放送を巡る諸課題に関する検討会」が、13日の会合でまとめる報告書にNHKの常時同時配信の容認を盛り込む予定。これを受け、総務省は常時同時配信のほか、民放との連携といった新たなネットの活用推進のために放送法改正などの制度整備を検討する。

 有識者検討会の報告書案では、NHKの常時同時配信の実施に関し、「一定の合理性、妥当性がある」と強調。一方で、NHKに対して、情報公開による透明性の確保▽引き下げなど受信料水準の見直し▽地域情報の提供確保や(放送直後の番組を提供する)見逃し配信などネット活用の業務の在り方-について検討するよう求めている。

 常時同時配信については、民放からNHKの肥大化を懸念する声も根強い。また、職員による受信料着服など不祥事も相次いでいてガバナンスの改革も必要だとの指摘もある。政府関係者は「NHKの目標時期に合わせて、手放しで(常時同時配信を)容認するわけではない」と話した。