ソフトバンクと中国・滴滴出行、配車サービスを大阪で開始

記者会見したソフトバンクの宮内謙社長(左)と滴滴出行の柳青社長=19日、東京都港区
記者会見したソフトバンクの宮内謙社長(左)と滴滴出行の柳青社長=19日、東京都港区【拡大】

 ソフトバンクと中国配車サービス最大手の滴滴出行は19日、人工知能(AI)を活用したタクシー配車サービスを今秋に大阪から開始すると発表した。今後、京都、福岡、沖縄、東京など全国で展開する。機器の提供やサービス利用料を無償にすることで、提携するタクシー会社を広く募集する。

 この日の記者会見に先立ってソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は講演し、「日本は(自家用車を用いた相乗りなどの)ライドシェアを法律で禁じている。こんなばかな国はない」と述べるなどライドシェアを国内で推進する方針を強い調子で示した。

 ソフトバンクと滴滴は6月に合弁会社「ディディモビリティジャパン」を設立。同社が国内でサービス運営やタクシー会社との提携を進める。

 ディディジャパンのサービスを利用すると、タクシー会社やドライバーにとっては、AIによる乗客の需要予測に基づいた運行ができるため、タクシーに乗客を乗せて走行した実車率の向上が見込めるという。同社取締役に就任した菅野圭吾ソフトバンク常務は「国内では現在、実車率は42%だが、これをディディのサービスで60%まで上げる」と意気込みを見せた。

 タクシー利用者は、専用のスマートフォンアプリを使うと、配車やクレジットカードと連携したアプリによる支払いができる。今後、増加が見込まれる訪日中国人に対応するため、中国版のアプリも国内でそのまま利用できる。また、アプリには日本語と中国語を自動で翻訳するメッセージ機能も備えている。

 ソフトバンクの宮内謙社長は「タクシー会社も利用者も完全にウィンウィンになるサービスだ」と述べた。