【テクノロジー最前線】滞空2倍のハイブリッド・ドローン出動 二輪車、旅客機、鉄道…乗り物で次々採用 (3/3ページ)

米トップフライト・テクノロジーズのハイブリッド・ドローン(同社提供)
米トップフライト・テクノロジーズのハイブリッド・ドローン(同社提供)【拡大】

  • 米トップフライト・テクノロジーズのハイブリッド・ドローン(同社提供)
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 空を飛ぶドローンは重さにシビアだ。TFTでは、一般的な陸上の発電機の約10分の1に相当する約8キロながら10キロワットの電力を発生させる超小型発電機を開発。これにより、乾燥重量を33キロに抑えることができ、10キロの荷物でも積載可能という余裕が生まれている。

 安東氏によると、米国ではガスのパイプラインのような比較的大規模な場所での管理・点検などでフィールドテストをしており、こうした大規模なスケールを飛ばす業務で、頻繁に往復を繰り返さなくて済むメリットが生かせると話す。また、バッテリーであればあらかじめいくつもの電池に充電して用意する必要があるが、ガソリンは液体燃料のため、給油作業を繰り返すだけで済むなど使い勝手の面でも違いがある。

 現在、日本でも数社の業務で、実証実験の計画を進めている。

 たかが2倍、されど…

 重さや距離、時間が2倍に向上すると応用面でどれほどメリットがあるのか。単に2倍という数字だとインパクトは小さく見えるが、究極の狙いを想定すると意味が違ってくる。究極の狙いとは、人間が搭乗するドローンの実現だ。

 日本ではトヨタ自動車、米国ではNASA、英国ではロールスロイスといった世界中の大企業や研究機関がドローンタクシーのような乗り物に着目している。

 1人乗りの利用でも、100キロ程度の重さを往復30分程度飛ばすことが求められる。巨大なエネルギーに見合ったサービスとして実用化するには課題も大きそうだが、世界のそうそうたる企業がしのぎを削っており、輸送システムを大きく変革する可能性を秘めている。そんな中で2倍のアドバンテージは貴重だ。

 距離を伸ばす技術としては固定翼型のドローンの例もある。ソニーとロボットベンチャーのZMP(東京)が出資するエアロセンス(東京)は、最高時速130キロを誇る。ただ、固定翼は形状面の改良であり、動力面の改良であるハイブリッドとは、競合というよりも協調できる関係にある。それぞれの技術がどのように組み合わさるのかにも目が離せない。(産経新聞社WEB編集チーム・原田成樹)