国土交通省は9日、SUBARU(スバル)と日産自動車で発覚した燃費・排ガスの検査不正について、新たにスズキ、マツダ、ヤマハ発動機の3社でも確認されたと発表した。測定の際に条件を満たさなかった場合でも、結果を有効とした。特にスズキは平成24年6月~30年7月の約6年間に抜き取り検査した1万2819台のうち、ほぼ半数の6401台で不正があったという。
スバルと日産の不正を受け、国交省は国内で事業を行う外資系を含む自動車会社など23社に調査を求めていた。マツダは26年11月~30年7月に抜き取り検査した1875台中72台、ヤマハ発は28年1月~30年7月に検査した二輪車335台中7台で不正があった。このほか、海外で生産した車を輸入する3社は報告が遅れているという。
石井啓一国交相は「自動車ユーザーらに、車両の性能やメーカーの品質管理体制に対する不安を与えかねない事態で、極めて遺憾だ」とするコメントを発表した。同省は省令を改正し、自動車会社に測定値の記録を保存するとともに、書き換えをできなくするか、書き換えた場合に判別できるようにする措置を義務づける方針だ。
スズキの検査不正があったのは、いずれも静岡県にある湖西工場(湖西市)、相良工場(牧之原市)、磐田工場(磐田市)の3工場だった。問題が起きた背景について、同社は「正しく検査業務が行われているかについて管理職の目が行き届かない状態にあった」としている。
スズキは9日午後1時から、ヤマハ発は3時半から、マツダは5時半から、いずれも東京都内で会見を開き、詳細を説明する。