【現場の風】小林製薬 上質な香りとインテリア性追求


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 □小林製薬日用品事業部マーケティング部部長・秋田理香子さん

 --部屋用芳香消臭剤市場が伸びている

 「香りとインテリア性にこだわったコンセプト商品『サワデー 香る スティック』シリーズが受け入れられ、2017年の市場規模は52億円と11年の投入時に比べ10倍に拡大した。最近はSNS(会員制交流サイト)の普及とともに、香水瓶をモチーフにしたガラスのボトルとスティックがおしゃれな空間を演出するとして好評で、認知・購入・拡散という流れができている」

 --シリーズを増やしている

 「ターゲットとなる女性の嗜好性を追求した香りとデザインの開発で、多様な消費者にアプローチできたことが市場の創出につながった。11年発売の花の香りシリーズに加え、15年の『パルファム(香水)』で高級シンプル路線を打ち出し、多くの人が使うようになった。17年にはアロマシリーズを追加。寝室とリビングルームで違う商品を置いたり、香りを出すスティックの本数で香りの強さを変えたりして楽しんでいるようだ」

 --今秋に投入する新商品は

 「消臭剤でもインテリア性を追求し、その第1弾として『炭の消臭元』を10月に発売する。本物の炭でしっかり悪臭を消しながら、天然スティックで上質の香りを拡散。陶製の容器でインテリア性にもこだわった。期待の商品なので、これを機に消臭という機能性を高めながらおしゃれでもある『インテリアデオドライザー』という新コンセプトを提案する」

 --今後の展開は

 「芳香剤、消臭剤とも上質な香りに加え、インテリア性が当たり前の時代なのでこの方向にシフトしていく。消費者は目も鼻も肥えている。ライバルも参入しているので、試行と評価を繰り返しながら常に新規性を提案して市場を広げていきたい」

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【プロフィル】秋田理香

 あきた・りかこ 大阪市立大学文学部卒。1992年小林製薬入社。99年米国駐在、2012年日用品マーケティング部新製品開発グループグループ長、15年から現職。大阪府出身。