スズキなど3社も検査不正 日本車への信頼、大きく揺らぎかねない事態 (2/2ページ)

不適切検査が発覚し、記者会見するスズキの鈴木俊宏社長=9日、東京・大手町
不適切検査が発覚し、記者会見するスズキの鈴木俊宏社長=9日、東京・大手町【拡大】

 石井啓一国交相は「自動車ユーザーらに車両の性能やメーカーの品質管理体制に対する不安を与えかねない事態で、極めて遺憾だ」とするコメントを発表した。省令を改正し各社に測定値の記録を保存するとともに、書き換え時に判別できるようにする措置を義務付ける方針だ。

 スズキの鈴木俊宏社長は9日に東京都内で記者会見を開き、「皆さまに多大なご迷惑をおかけし、心よりおわび申し上げます」と謝罪。今回の問題が発生した要因については「検査員の判断で不適切なデータを流した。管理職によるチェック体制の不備だ」と述べ、再発防止に努める考えを強調した。

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【用語解説】車の不適切検査問題

 自動車メーカーで、出荷前の車の排ガスや燃費の測定試験をめぐる不適切な行為が相次いで見つかっている問題。測定結果を改竄(かいざん)したり、条件を満たさない無効な測定結果を有効としたりしていた。昨年表面化した資格を持たない従業員が最終検査に携わっていた不正の調査を機に、今春以降、SUBARU(スバル)と日産自動車でそれぞれ発覚。国土交通省が7月に他のメーカーにも調査を指示した。