【トップは語る】クールジャパン機構 エンタメ業界で培った人脈生かす


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 □クールジャパン機構社長・北川直樹さん(64)

 --6月にクールジャパン機構の社長に就任した。これまでの職歴や経験をどのように生かすか

 「エンターテインメント業界で培った人脈を生かし、常に新しい情報を把握しておきたい。コンテンツビジネスは技術と結び付き、情報はどんどん新しくなる。例えば8Kテレビ、AI(人工知能)、第5世代(5G)移動通信方式とエンターテインメントを結び付ける動きが欧米でも活発化している。最先端の情報、業界状況を把握し、日本文化のブランド価値を高める有効な投資案件を見定めるフィルター的な役割を担いたい」

 --日本のコンテンツビジネスの海外展開は、国策で支援する韓国に比べても弱いと指摘されている

 「日本のアニメは海外でものすごい人気だ。アニメの主題歌が米国の4000人規模のステージで日本語で大合唱する様子を見たときにすごい力があると感じた。これは官の支援を受けずに民間の力だけで波及させたものだ。韓国はアニメに関する音楽などのジャンルはやっておらず、日本の強みだ。日本のアイドルの歌も東南アジアで人気がある。こうした民間が作った素地に官がどのような出資で絡めるか、考えないといけない。私の築いた人脈が民間の事業支援にも生きると思っている」

 --機構の投資は赤字案件が多いとの批判もある。今後の投資精度を上げるために何を重視するのか

 「投資の経済波及効果は簡単に数値化できない。アニメ市場は世界で約2兆円と推計されるが、その中には含まれていないものも多い。例えば、ある日本のアニメがヒットすると、そのアニメに影響された作品や商品が世界で出回る。小さな市場ができ、本物の日本の作品や商品に触れようとする動きが起きるが、この波及効果は数値化できない。続けていれば他の大きなヒットを生むようなものもある。そういったものを見極めていきたい」

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【プロフィル】北川直樹

 きたがわ・なおき 中央大商卒。1977年4月、CBS・ソニー入社。2007年からソニー・ミュージックエンタテインメントのコーポレイト・エグゼクティブCEO。15年に副会長、16年にコーポレート・アドバイザー。11年には日本レコード協会会長を務める。18年6月から現職。兵庫県出身。