ドコモ、観光客の動態調査 釜石のW杯会場 完成イベント情報活用

2019年ラグビーW杯の会場になる釜石鵜住居復興スタジアム=岩手県釜石市
2019年ラグビーW杯の会場になる釜石鵜住居復興スタジアム=岩手県釜石市【拡大】

 NTTドコモは10日、2019年ラグビーワールドカップ(W杯)の会場となる岩手県釜石市の「釜石鵜住居復興スタジアム」で、19日に開かれる完成イベントの来場者の位置情報を活用し、周辺の観光施設へどう移動するか実証調査を実施すると発表した。来場者の移動傾向を分析し、W杯での交通渋滞の緩和や今後の観光振興につなげる狙いがある。

 位置情報把握技術はドコモが指定した場所で衛星利用測位システム(GPS)やWi-Fiなどを使用した人を検知するシステム。今回の調査は乗り換え案内アプリの駅すぱあとの利用者のうち、位置情報の利用を許諾した人を分析対象とする。岩手県内の主な観光地など30カ所を選定、スタジアムで位置情報を検知された人が前後でどこを訪れていたかを分析する。

 ドコモによると、これまでは商業施設などで来場状況を測定するのに活用していたが、複数の場所への訪問情報を複合して、観光動態の分析につなげるのは初めての試みだという。

 同スタジアムは7月末に完成。W杯での円滑な交通誘導のほか、観光地との連携を強化する。他地域の地方創生などへの活用にも期待が高まる。