国産牛肉、高まる海外評価 輸出額の目標達成を牽引、処理施設の整備など課題も (1/3ページ)

米映画の祭典・アカデミー賞授賞式後のパーティーのメニューに採用された宮崎牛=3月、ロサンゼルス(共同)
米映画の祭典・アカデミー賞授賞式後のパーティーのメニューに採用された宮崎牛=3月、ロサンゼルス(共同)【拡大】

  • 「尾崎牛」の画像を見せる尾崎宗春さん

 国産牛の海外での評価が高まり、牛肉輸出額が増加している。牛海綿状脳症(BSE)や口蹄疫による輸入禁止が解かれつつあることも追い風に、2019年に農林水産物・食品の輸出額を1兆円にする政府目標達成の牽引(けんいん)役として存在感を増している。自治体や農家が売り込みを図る一方、さらなる拡大には輸出に適合した施設整備などが課題となる。

 5年で4倍に

 「海外の安い肉の攻勢に備え、質重視で改良してきた。今では、どの国も日本の牛肉をまねできない」。5年に1度開催される全国和牛能力共進会で3大会連続の最高賞を獲得した宮崎県で、長年改良に取り組んできた黒木法晴さん(93)はこう胸を張った。

 全国有数のブランド牛「宮崎牛」を柱とする宮崎県産牛の輸出額は13年度から17年度にかけて3倍以上に拡大。17年度の米国への輸出量に占める県産牛の割合は約3割に上った。米映画の祭典・アカデミー賞授賞式後のパーティーでも宮崎牛が提供され、著名シェフが「やっと最高の牛肉に出合えた」とべた褒めした。米国や香港のほか、17年に輸出が解禁された台湾向けも好調に推移する。

「競合相手がいない」強みに