「個人向けカーリース」で車離れ打開へ 秘める可能性、課題は認知度の向上 (2/4ページ)

 まとまった出費を避けたいという思いも強かった。頭金はゼロ。月額約1万8000円のリース料だけで乗り続けられ、そこに毎年の自動車税や3年後の車検費用などが含まれる。7年たったら別の新車への乗り換えや返却も可能だ。米山さんの薦めで娘もカーリースを利用している。

 日本自動車リース協会連合会(JALA)によると、個人向けカーリースの保有台数は2014年度末時点の15万2857台から4年連続で増加し、17年度末には過去最高の25万6936台に達した。

 JALAは「スマートフォンの感覚で車を気軽に使用したい消費者が増えている」と市場拡大への手応えをつかむ。「売り方」を工夫したリース商品の増加も個人需要の喚起に結び付いた。

 既にオリックス自動車は、男性中心だった個人向けカーリースの裾野を広げようと、女性の生活シーンに応じてリース車の魅力を伝える通信販売サイトを開設。8月中には、全国の販売代理店のリース担当者を支援しようと、商品説明や受注機能を備えたタブレット端末を配布する計画だ。リース営業本部の笹野雄路リテール営業推進部長は「カーリースを専門的に説明できる販売員を増やしたい」と意気込む。

 東京都内に34店舗を構える日産系ディーラーの東京日産自動車販売(同品川区)の鼻息も荒い。同社は5年契約の個人向けカーリース商品「ポップ」を主軸に実績を拡大。今後も新車の買い方の一つとしてカーリースの拡充に取り組み、顧客囲い込みにつなげたい考えだ。

最大の売りは「3年後」にあり