「回転寿司」の競争激化、増える破綻 漁獲量減少と人手不足のダブルパンチ (3/4ページ)

◆百貨店の物産展に参加もむなしく…

(3)エスワイケイ(富山県高岡市、資本金5000万円、従業員20名)

 2月5日、富山地裁高岡支部に破産を申請した。負債総額は2億3900万円。

 同社は、当初は焼き鳥店だったが、地場の回転寿司のFC店に加盟した。県内に支店展開し、ピーク時には約5億円の売上を計上した。しかし同業他社との競合激化で採算が悪化、業績の立て直しが図られないことから、今年1月末で店舗を閉鎖した。

(4)ビックマウス(北海道釧路市、資本金3375万円)

 7月6日、釧路地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は1億9500万円。

 同社は、1989年10月に釧路市では先駆けとなる回転寿司店「ビックマウス芦野店」をオープンした。次々に支店展開を進めてピーク時には4億5100万円の売上を計上した。

すし店の倒産件数年次推移

すし店の倒産件数年次推移

 しかし、同業他社との競争激化から店舗閉鎖を余儀なくされた。最近は新たな店舗形式の「鮨茶寮四季彩」を運営するほか、百貨店が開催する北海道物産展にも出店していたが、売上減少に歯止めがかからず事業継続を断念した。

◆関係者は「業界再編さらに進む」

(5)仁々(三重県鈴鹿市、資本金300万円)

 7月4日、津地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は3100万円。

 同社は、回転寿司店「かいおう三重鈴鹿店」を経営していた。しかし、2016年8月にFC本部だった海王コーポレーション(富山県)が破産するアクシデントに巻き込まれた。

大手チェーンの出店攻勢も