オカフーズ、魚食文化の維持発展に挑む 調理の簡便さとおいしさを追求 (1/2ページ)

最高健康責任者を標榜する岡孝行代表取締役
最高健康責任者を標榜する岡孝行代表取締役【拡大】

 海に囲まれた日本にとって、海産物は貴重なタンパク源だった。和食のベースである“だし”をはじめ、食材にも魚介類を使ったものが多い。世界遺産となった和食は健康効果が海外からも注目されているが、その重要食材である魚介類の消費は世界的に増加している。半面、“本家本元”である日本国内では“魚離れ”が緩やかに進行。おりからの人口減少もあって消費量は減り続けている。こうした中、水産加工食品メーカーのオカフーズは、魚食の健康作用に着目しつつ、調理の簡便さ、そしてなによりもおいしさを追求することで魚食文化の維持発展に挑戦している。

 同社は、魚介類を切り身などに加工して出荷する食品会社として創業。給食や仕出し弁当向け市場を取り込みながら発展してきた。時代とともに、仕向け先は病院や福祉・介護施設などに、加工拠点は中国とベトナムに変化したが、創業から60年以上経た現在も、基本的なビジネスモデルは変わらない。

 しかし、この間に事業環境は大きく変化した。

 「料理しやすくておいしい商品を生み出し、より多くの人に届ける。と同時に、“健康”をキーワードに商品や価格以外の価値を創造し、顧客や従業員と共有していきたい」

 同社の経営トップ、岡孝行氏。名刺には代表取締役CHOとある。このCHOは「最高健康責任者」のことだという。魚食には健康メリットがあることは良く知られている。にもかかわらず魚の消費が減ってきた背景には、調理が大変だという面に加え、品質が悪くて固かったり、下ごしらえや調理の問題もあって臭みが残っているなど、いわゆる“おいしくない魚”の台頭がある。おのずと同社の挑戦は、それら欠点の払拭や商品価値の向上などに向けられていくのだが、そのための施策は実に先進的だ。

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