「最強のメーンバンク」は? 全国150万社徹底調査 地銀の強さ光るが…再編加速か (3/5ページ)

◆取引先企業の増収増益率は九州地盤の地銀5行が上位占める

 2017年の取引先企業の増収増益率のトップは、熊本銀行で構成比は41.5%、2位に肥後銀行で同39.5%と熊本県内を地盤とする2行が入った。2年前の熊本地震から本格化した復興需要が背景にあるようだ。熊本銀行は「熊本地震以降、地域密着型の取り組みをより深めた。事業性評価を進め、悩みなど相談業務に力を入れている」とコメントしている。

 3位は宮崎銀行で同36.7%、次いで北海道銀行の同35.6%、みちのく銀行の35.2%と続き、6位の鹿児島銀行、8位の佐賀銀行と九州の地銀が上位10位のうち、半数の5行を占めた。

 宮崎銀行は「取引企業ごとの成長目標や課題を共有し、企業の成長を経営者とともに目指す『みやぎん中小企業応援プロジェクト』を展開中」、鹿児島銀行は「地域活性化の取り組みを積極的に行い、お客様との距離を縮めている」と地域密着の営業展開が奏功しているようだ。

メーンバンク取引先増収増益率ランキング

メーンバンク取引先増収増益率ランキング

 業態別では、前年トップの都市銀行が同30.5%で2位に転落、前回2位の地方銀行が同31.0%でトップに入れ替わった。3位は第二地銀の同30.4%、次いで信用組合の30.0%、信用金庫の同29.1%、政府系金融機関などその他が同29.0%だった。

◆倒産比率は信組がワースト

 各年度(4月-3月)に倒産した企業(負債1000万円以上)のメーンバンクを分析した。

日銀の金融緩和で経営環境厳しく