地下水浄化、災害で脚光 病院、企業の設備導入相次ぐ

 地下水を濾過(ろか)し飲料水として供給する浄水設備が、災害を機に脚光を浴びている。地震に強く、公共の水道が止まっても安定して飲料水を確保できるためだ。災害時に業務を早期に復旧させる有力な手段として認知されつつあり、導入する病院や企業が相次ぐ。今後も需要は拡大しそうだ。

 三菱ケミカルホールディングス傘下のウェルシィ(東京)は、地下水を独自の膜技術で濾過する設備の普及に注力する。2011年の東日本大震災以降、災害に備えた発注が増え、1200を超す病院や企業などに納入した。同様の事業を手掛ける電源開発(Jパワー)の設備は病院のほか空港や駅が導入している。

 今年6月の大阪府北部地震では、ウェルシィの設備を導入した大阪府高槻市の北摂総合病院が、断水した市内の診療所などから大量の水を必要とする人工透析の患者を受け入れた。木野昌也院長は「地域の防災にも役立ち良かった」と話す。

 16年の熊本地震でも設備を備えた病院が住民に水を無償で提供した。

 厚生労働省によると、東日本大震災では約256万7000戸が断水し、復旧までに最大で約5カ月かかった。水の確保は被災者だけでなく、企業にとっても生命線。ウェルシィによると、災害時の業務復旧手順をまとめた「事業継続計画(BCP)」で生産ラインへの水の供給が重視されていることも、浄水設備の普及を後押ししている。

 ウェルシィの●川秀人社長は「災害時に飲料水や生活用水の確保がいかに重要かということを訴えていきたい」と意気込んでいる。

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