【キャッシュレス革命(4)】大手銀・クレカに危機感 新興異業種が既得権益脅かす (3/3ページ)

 米中巨大資本侵食も

 クレカ業界も戦々恐々だ。日本は1人当たりのカード保有枚数が7.7枚とシンガポールに次ぐ世界2位だが、現金を使わないキャッシュレス決済の主役の座が脅かされ始めた。

 カード会社が加盟店から受け取る決済手数料は小規模店で4~7%程度といわれる。これに対し、QRコード決済の手数料は「無料」や「1%前後」のものもあり、その差は大きい。

 「築き上げた加盟店網の強みがあっても危機感は強い」(カード大手幹部)のが現状で、QRコード決済や生体認証など新たな決済手段の開発も進める。本業のクレカと共食いする恐れはあるが、クレカの決済手数料を一気に引き下げるのは難しく、顧客を失いかねないからだ。

 独自規格による先行者利益で一定の“経済圏”を確立したLINEなどの新興企業に対し、経済産業省の一本化構想に相乗りする銀行やカード会社とのつばぜり合いも激しくなりそうだ。国内の「意思統一」は容易ではなく、「米国や中国の巨大資本にのみ込まれるのは時間の問題」(中堅銀行首脳)にもみえる。=敬称略

 この連載は大坪玲央、河崎真澄、田辺裕晶、林修太郎、万福博之、三塚聖平、柳原一哉が担当しました。

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