6日午前3時8分ごろ、北海道で震度7の地震があった。この地震の影響で、道内全域が一時停電する前代未聞の事態となった。電力会社のエリア全域での停電は前例がない。原因は道内最大の火力発電所である苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所(厚真町)が緊急停止し、連鎖的に他の発電所も停止したためだ。泊原子力発電所(泊村)は3基全てが停止しており、同社初の液化天然ガス(LNG)火力発電所の稼働を来年に控える中、1カ所の大規模発電所に依存していた課題があらわになった。
連鎖的に停止波及
苫東厚真火力は震源の近くにあり、出力は3基の発電設備の合計で165万キロワット。地震発生当時、苫東厚真火力は3基とも運転していたが、地震で揺れを検知したため緊急停止した。北海道電力によると、地震発生当時の道内全域の電力需要量は約310万キロワットで、苫東厚真はその半分程度を担っていたことになる。
苫東厚真の停止で、電力の需要に対して供給が大きく損なわれて需給バランスが崩れ、電力供給の周波数を一定に保つことができず、他の発電所にも停止が波及。全域停電につながったとみられる。
経済産業省の担当者は6日、「瞬時に3基全て、165万キロワットが停止する事態をあらかじめ想定した対策までは取っていなかったのではないか」と指摘。「想定を超える規模の電源の脱落が起きた」と話した。