【ハザードマップ】ケフィア事業振興会/日本アイコム

 ■高額配当の実態は自転車操業

 ▼ケフィア事業振興会 ケフィア事業振興会と関連会社3社は9月3日、東京地裁から破産開始決定を受けた。

 ケフィア事業振興会は柿やヨーグルト、ジュースなど食品を中心とした通信販売「ケフィアカルチャー」を運営。公称220万人の会員を誇り、通信販売以外にダイレクトメールで買戻付売買契約の「オーナー制度」や金銭消費貸借契約の「サポーター募集」を展開し、資金を集めていた。積極的な「オーナー制度」募集により、2017年7月期は売上高1004億252万円、利益は1億5011万円をあげた。

 しかし、昨年11月ごろから会員への配当や元本の支払いが遅れ、「システムの入れ替えに伴うもの」とケフィアは説明していたが、その後も支払い遅延は解消せず、訴訟や仮差押など会員とトラブルになっていた。また、国民生活センターへの問い合わせも急増するなど社会問題化し7月10日、ケフィアグループ被害対策弁護団が結成された。被害対策弁護団に会員から多くの被害相談が寄せられ、同弁護団は債権者破産の申し立てや刑事告発を検討する事態まで発展。8月31日には、消費者庁が「債務の履行遅延」などを理由に注意喚起していた。

 ▼日本アイコム 日本アイコムは8月30日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。同社は当初は分譲マンションの販売代理を行っていたが、2005年9月期から広告プロモーションを手掛け、06年には自社ブランド「CLARS(クラース)」のマンション開発・販売を開始し、広島地区を中心に積極的な営業で業績を伸ばし、16年9月期には売上高67億7073万円を計上した。

 積極的な自社ブランドマンションの開発・分譲販売を行うなかで建設費の増加、仕入れた土地に隠れた地中障害が発見されるなど想定外の費用の発生で採算割れが続いた。17年9月期には売上高が26億703万円に落ち込み、資金繰りが逼迫(ひっぱく)。厳しい状況が続くなか、今年8月末の資金手当てができず、今回の措置となった。

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【会社概要】ケフィア事業振興会

 ▽本社=東京都千代田区

 ▽設立=2009年9月

 ▽資本金=4億円

 ▽負債額=1053億3706万円(関連会社分を含む)

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【会社概要】日本アイコム

 ▽本社=広島市中区

 ▽設立=2002年7月

 ▽資本金=1000万円

 ▽負債額=74億8384万円

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 〈チェックポイント〉

 ケフィア事業振興会の支払いトラブルは昨年末頃から表面化していた。オーナー制度の名の下での高額配当の実態は自転車操業によるもの。被害者3万人を巻き込んだ倒産は、詐欺行為などを含む今後の刑事事件化も焦点だ。同時に、高額利回りを喧伝(けんでん)する投資話に安易に乗らない自衛策も求められる。

 日本アイコムは瀬戸内地区を中心に急成長してきたが、採算悪化に加え、都市圏への進出失敗が経営悪化を招いた。新興マンションデベロッパーの多くは、土地仕入れなどの資金を銀行借入に依存せざるをえない。業容拡大に応じて増加する資金需要をどうクリアするか、事業計画の中で大きな課題となってくる。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)