【トップは語る】JOLED 「eスポーツ」など特殊分野パネル強化


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 □JOLED社長・石橋義さん(54)

 --8月にデンソーや豊田通商など4社を引受先とする第三者割当増資で470億円を調達した

 「ジャパンディスプレイから取得した能美事業所(石川県能美市)での中型有機ELパネルの量産に向けて必要な資金を手当てするためだ。2020年からの量産に向けて1000億円を調達するターゲットを示していたが、必要となる資金は工程に応じて、順次手当てしていきたい」

 --トヨタ自動車系列のデンソーが株主に入ったことでトヨタ車向けへの採用に弾みがつきそうだ

 「自動車の電動化や自動運転化が進む中、ディスプレーの搭載は拡大する見込みだ。当社の強みは、車載用に使われる10~30インチの中型の有機ELに特化している上、高精細で高品質な有機ELパネルを生産できること。曲げられるタイプも用意できるので、車内の曲面部分にも採用拡大が期待できる。デンソーの持つ商品開発のノウハウも取り入れることでトヨタ向けの売り込み強化につなげたい。車載マーケットには迅速に入っていきたい」

 --スマートフォンなどの小型、テレビなど大型の有機ELパネルの量産は行わず、中型に特化する理由は

 「有機EL市場は、韓国メーカーがスマホとテレビに大規模な投資を行って伸ばしてきた。ただ、当社が同じことをするのは得策とは考えない。むしろ、韓国メーカーが参入していないパソコンや医療用などの中型パネルを着実に伸ばしていくのが賢明なやり方だ。ビデオゲームの腕を競う『eスポーツ』向けなど特殊な使われ方をするモニター分野などの強化も進めていきたい」

 --世界で初めて実用化した印刷方式と呼ばれる低コストな生産技術を、テレビ向けに外販する戦略だが

 「技術を外販しライセンス収入を得るモデルだ。技術流出を懸念する声もあるが、技術のブラックボックス化で対応はできている。国内外からの引き合いは強い」

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【プロフィル】石橋義

 いしばし・ただし 学習院大院自然科学研究科修了。1990年4月ソニー入社、2012年4月有機ELディスプレイ技術部統括部長。15年1月、ソニーとパナソニックの有機EL事業の統合で発足したJOLEDに転籍し執行役員。18年6月から現職。東京都出身。