JBIC、滋賀銀と協調融資 地方企業のカンボジア出店支援

ナカザワがカンボジア・プノンペン市のイオンモール内に設置した店舗(JBIC提供)
ナカザワがカンボジア・プノンペン市のイオンモール内に設置した店舗(JBIC提供)【拡大】

 国際協力銀行(JBIC)は、腕時計などの販売・修理を手がけるナカザワ(滋賀県湖南市)のカンボジアへの出店に対し、滋賀銀行と協調融資する。このうちJBICは20万ドル(約2200万円)を融資する。JBICの国際的なネットワークと地域金融機関の取引網を組み合わせ、地方の中小企業の販路拡大を後押しする。

 ナカザワは5月、カンボジア・プノンペン市のイオンモール内に同国2店目となる腕時計の販売・修理店を出店。内装や陳列棚、修理機器などの設備投資は自己資金や短期借り入れなどで賄ったが、JBICと滋賀銀行からの長期借り入れに切り替える。JBICはナカザワの現地子会社にドル建てで融資する。中堅・中小企業のカンボジア向け融資案件で親会社ではなく、海外現地子会社に直接融資するのは初めて。海外子会社の自立運営に向けた資金調達ニーズに応える。

 JBICは大企業だけではなく、中堅・中小企業の海外展開支援を強化しており、融資件数を2011年度の16件から17年度には74件に拡大した。地銀との協調融資も4件から32件に伸ばしている。

 今後も、中間層の増加に伴う消費拡大が続くメコンや南アジア地域での企業支援に注力する方針。西日本オフィス中堅・中小企業ユニット長の田丸伸介氏は「地銀と連携してカンボジアやラオスなどのフロンティア諸国向け融資案件を具体化させていきたい」と述べた。