利用者は、まずスマートフォンに専用アプリをインストール。スマホの無線通信技術を使い、加盟企業の店内などに設置したビーコンと呼ばれる手のひらサイズの電波送受信装置を通じ、来店した利用者の滞在時間を把握することができる。利用者には滞在した時間に対してポイントが付与され、ためたポイントを使用することができる。また、DMP(データマネジメントプラットフォーム)と呼ばれる手法を活用。ビーコンから利用者の位置情報を取得し、行動情報を読み取って利用者に今必要な情報を提供し集客につなげる仕組みも取り入れている。
それでは、新サービスはどんなケースが想定されるのか。
例えば、見学するのに平均1時間半かかる水族館で、「あと30分滞在するとポイントが数倍加算される」とアプリに表示すると、利用者に30分長く滞在しようという気持ちが湧いて、館内をさらに回遊する可能性が高くなる。結果として、お土産やグッズ売り場に立ち寄り、買い物をしてくれるケースが増えることが期待できる。
また、アミューズメントパークで行列に並ぶとして、その時間をポイントとしてためれば、次回は優先的に入れるパスに交換できるといった特典をつけることもできる。
企業側は利用者の行動データを集めることで、「ユーザーが何を望んでいるかも分かる。そこから顧客を格付けするなどして、より頻繁に利用してくれる顧客を厚遇するなどの差別化ができる。飲食店やレジャー施設などのファンづくりにうってつけ」(佐和田氏)という。